えくりけいじばん ver2.0

ESF 後継者 - 管理人96(代理投稿)

2015/03/13 (Fri) 13:16:26

ESF 後継者


〜ミッションインポッシブル〜


黒三は乙女ロードのとあるパブの扉を開けた。
中を見ると客はたった1人でカウンターでビールをジョッキで飲んでいた。間違いないこの男だ。

黒三は隣に座って男に話しかけた。
黒三「世祓さんですね。」
世祓「そうですね。何処かでお会いしましたっけ?」
黒三「シン・タイターとも名乗っていた。」
世祓「えっ、おいおい。貴方はサイバー対策課か?あんなのは何年も前に流行った10チャンネルのネタだろ。アレは私じゃない。」
黒三「書き込んだのは貴方自身ではないかも知れないが、未来から別のフォトンベルトを通過して現代に来た別の貴方なのでしょう。ちなみに私は警察でも政府の者でもない。それよりも松下紳之助という人物を知っていますね。」
世祓「松下財閥の?それなら2ヶ月位前に屋敷のガス漏れか何かの爆発で他界しているらいねニュースで見た。」
黒三「『他界』。そうかもしれません。しかし松下紳之助も本当は貴方だった、おそらく別の貴方。」
世祓「可笑しな事を言う。知らないし関係もない。」
黒三「いえ、関係あります。それにこれは貴方だけではなく日本いや世界の未来、そして愛々さんという女性にとってとても重要な事なのです。」
世祓「愛々…氏…」
世祓の手が一瞬止まった、そしてジョッキに残ったビールを一気に飲み干した。

世祓「興味深いね。続けてくれ。良かったらビールでも飲むかい?」
黒三「ええ」
世祓「ママ、ジョッキもう一つ」
直ぐに運ばれてきたビールジョッキに世祓が瓶ビールを注ぐ。
黒三「な、生ビールじゃないんですか!!」
世祓「この店には生ビールサーバーが無いんだ。」

黒三は約2ヶ月前に松下紳之助邸で起こった事件の事を手短かに話した。
世祓「面白い妄想だ。小説か何かにしたら良い。」
黒三「惚けないで下さい。全て私の目の前で起こった真実です。政府の極秘ファイルでは松下紳之助の遺体は欠片も見つかっていない。もちろん巨神も愛々さんの姿も…」

話に夢中になっていたが、ふと気がつくとドアの所にさぁやと1人の女性が立っていた。

さぁや「私も、私の仲間も目撃しています。」
黒三「さぁやさん?どうして此処へ。それにそちらの女性は?」
さぁや「黒三さん、抜け駆けは無しでしょう。この人はななみぃさん。愛々氏の…その…知り合いみたいなものかしら。」
さぁやが歯切れの悪い言い方をした。
ななみぃ「初めまして、ななみぃです。」
世祓「分かったよ。それで私に何をしろというのかな?」
黒三「M2機関があれば時空を越えられるんでしょう?シン・タイターはそう言っていた。貴方はM2機関を持っている筈。」
世祓「確かにM2機関で時空を越えられる。まさか時間を遡って時の流れを変えろっていうのか?そりゃ無理だ。」
黒三「過去を変えなくても、せめて今の愛々さんを時空の狭間から救い出す事は?」
世祓「M2機関では確立されたフォトンベルトを通過できるだけだ。フォトンベルトから外れて時空の狭間に飛び出すなんて無茶苦茶だ。」
黒三「M2機関に強力なコアを積んでも駄目ですか?」
世祓「成る程、強化されたM2機関ならフォトンベルトから時空の狭間へ飛び出せるかもしれないな。しかしそのコアになり得るモエニウムは今は時空の狭間にあるんだろ。」
黒三「サブカライトは?」
さぁや「サブカライト?」
黒三「未来にサブカライトと言う強力なエネルギー源が発見されるらしい。世祓さん、この時代にも何処かで既にサブカライトが採取されているんじゃないですか?」
世祓「流石にそれは知らない。政府が公式に発見を発表したのは2031年だからな。」
ななみぃ「あの、サブカライトならここにあります。」
世祓、黒三「何だって?」
2人は仰け反った。勢いで便ビールが倒れた。
世祓「君は一体?」
ななみぃ「私は愛々さんの後継の守護者です。もっとも今はその見守るべきモエニウムがこの空間にはありませんが…」
黒三「それじゃあ君も戸越銀河から?」
ななみぃ「そうです。戸越銀河のエチカ星から千年の交代の為に地球に降り立った。丁度あの事件が起こっていた時です。」
世祓「何故君がサブカライトを持っているんだ。」
ななみぃ「サブカライトに不思議な力があるなんて、私ちっとも知らなかった。ずっと昔から家に伝わってきたもので、母が死ぬとき私にくれたの。けっして人に渡したり、見せたりしちゃいけないって。」
世祓「これはかなり純度の高いサブカライトだ…」
希望の輝きを瞳に浮かべるさぁや。
さぁや「愛々氏を救い出せるのね。」
世祓「駄目だ。ミイラ取りがミイラになるだけだ…フォトンベルトから時空の狭間に飛びだせばモエニウムが出すモエスギスキー粒子を追って愛々氏を探し出すことは出来る。しかしサブカライトで強化したM2機関でさえ時空の狭間から再び戻ってくるのは無理だ。」
ななみぃ「私が行きます。」
世祓、黒三、さぁや「なんだって?」
黒三「今の話を聞いてなかったのか?」
世祓「いや、待て。まさか君は…」
ななみぃ「私も一度だけふぉーしゅが使えます。時空の狭間で愛々さんを見つける事が出来れば私のふぉーしゅを使ってこの空間に戻って来ることができます。」
黒三「た、確かに…」
世祓「しかしななみぃさん、それでは貴方は2度と自分の故郷に戻れなくなるんじゃないか?」
ななみぃ「愛々さんが命をかけてまで守ろうとしたこの星に居られるのなら私は…それにエチカ星に戻った守護者はこの星での記憶を削除されてしまうのです。愛々さんはもしかしたら…」
世祓「分かった。急ごう。」


全ての準備を整えてあの屋敷の跡地に集まった。
いよいよサブカライトをコアに積んだM2機関を持ってななみぃが光の中に包まれ消えていった。そして暫くの沈黙。

さぁやが祈る。
さぁや「ななみぃさん、お願い!」
黒三「何かあったのだろうか…」
世祓「時空の狭間といっても気が遠く成る程広い。此方で我々が認識出来る程時間が掛かっているんだろう。」
突然周りに放電による稲妻が走って辺りに煙が立ち込めた。その中に確かに愛々氏を肩に担いだななみぃが戻ってきた。2人はその場に崩れ落ちた。
さぁや「ななみぃさん!愛々氏!無事なの?」
黒三が2人に駆け寄った。
黒三「愛々さんは気を失っているが生きている!」
ななみぃ「巨神とモエニウムは時空の狭間に…閉じ込めたままです。ただ…持っていったM2機関は途中で…」
世祓「そんなものはどうでもいい壊れて当然だ。」
ななみぃ「でも貴方も、もう…」
世祓「気にするな。私はこのままで良い。」
さぁや「長官は、松下紳之助の遺体は?」
ななみぃ「白い…シーツに包まれたまま…」
世祓「彼にとってはある意味いい墓場だ。戻って来たって生き返るわけじゃない。事実が分かっただけだも良かったじゃないか。」




それから3ヶ月後、乙女ロードのパブだった場所は雰囲気の良い素敵なカフェに変わっていた。お洒落なカフェに似合わず、ビールサーバーから注がれた生ビールを飲む男性と長い黒髪の美しい女性が美味しそうなサングリアを飲みながらお店の隅の席で話をしていた。

男性「この後は何処行く?」
女性「近いからシャンシャインに行こう!」
男性「おー、良いね!展望階行くか?」
女性「今日は天気が良かったから星が綺麗に見えそうな気がする?ずーっとずーっと遠くの星まで…」

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