えくりけいじばん ver2.0

松下紳之助編 零 〜世祓〜 - 管理人96(代理投稿)

2015/03/06 (Fri) 17:12:17

松下紳之助編 零 〜世祓〜


〜歴史〜


あれから僅か1年半。
2人はあえて瓶ビールを333mLのジョッキに注いでまるで生ビール感覚で飲める『東京タワービール』が面白いと話題になった『しゅりみや』の閉店準備をしていた。
黒三「世祓さん…如何してお店を?」
松下「わたしは世祓じゃないよ。松下だ。」
黒三「そうでした、時々つい…」
黒三「お金があれば戸籍だって経歴だってどうにでもなるでしょう?私の名前を名乗る必要は?」
松下「偽物は偽物、世の片隅で大人しく暮らしていくなら簡単だ。でも有名になったり権力を持った時にはそんなモノは直ぐにバレる。」
黒三「権力…」
松下「それよりも、何故お店を閉めるのかって?旬だからさ。話題性で一見さんの為のお店なんだから時を見て引く。次にオープンするリケジョ・カフェも幽霊喫茶サムラベルクも半年位で有名になったら止めるよ。」
松下は続けた
松下「現金はあるからいきなり大きなお店を出す事も簡単さ。でもこの街、いやもっと広く政治や業界への橋をゆっくり作りながら進めないとね。急に目立つと潰される…大金を動かすだけでも色々と目をつけられるんだ。」
黒三「貴方の目的はいったい…」
松下は少し黙って小声で言った。
松下「あのツマラナイ未来を潰す…」
黒三「えっ?」
松下は急にまた明るく饒舌に話し出した。
松下「実は僕は未来から来た。だからこの時代に僕の存在を示すものは何も無い、今の松下紳之助という立場以外にはね。君はまだ知らないだろうけど2020年に東京オリンピックが開催される。」
黒三「そんな!急に何を?」
黒三は飲んでいたコーヒーを吹き出した。
松下「東京オリンピックはいいんだ。でもその為に本田という議員が東京オリンピックの安全維持とい名目に日本を支配する事になるんだ。」
ニコニコ笑うとエクボが目立つ黒三を気にせずに松下は坦々と続けた。
松下「あらゆるサブカル、いや娯楽が消えてしまった日本なんて想像できるかい?メイ喫どころかボーリング場もカラオケも無い。オリンピック閉会の後には禁酒法の話まで出てきている。」
黒三「そんな、まるで厨二病の小説かSFアニメのような…」
松下「信じるのは無理だろうね。あれが単なる悪夢ならそれで良い。でも私はそんな未来にならない為に全てを捨てて此処に来たんだ。今の所計画は上手く行っている。@リーミンヴァニア学園を設立して芸能界を通じて政治に食い込む。本田の野望を止めるために。」
黒三「そんな面倒な事をせずに、その本田という男を消してしまえばいいじゃ無いんですか?」
黒三は冗談半分で言った。
松下「この時代の人の割に物騒な事をいうね。やってみたさ、何度もね。でも上手く行かない。」
松下は俯いて静かに続けた。
松下「タイムトラベルをした人間が直接大きく時代を変えようとするのは難しい。暗殺は幾度となく失敗した。少しづつ世界を変える事で未来を大きく変える事は出来るが、急変更には時間の流れが付いていけないんだ。ストローを曲げしまうと折れて詰まってしまうようにね。」
黒三は黙り込んだ、そして今聞いている事が本当の事なのか松下のいつもの悪フザケなのか…
松下「僕はある程度はこの時代からの未来が分かる。一晩で大金を当てる事だって出来る。でも大事なことは目立たない事さ。とても難しい。『運がいい』は良いんだ『不自然』でなければ。その合間を縫って私は本田の野望を止められる力を持たなければならない」
黒三「どうやって止めるのです。」
松下「彼よりも早くこの秋葉原を始め各種業界への影響力を持つこと。特に何かをする必要は無いんだ。もし松下紳之助がある所まで成功すれば自動的に本田の野望は達成不可能になる。何方が大物になるか時間の勝負。」
黒三「時間の…」
松下「せめて2015年位までには、松下紳之助としてメイ喫や声優、アイドル業界でマスコミに名前を売り、各種産業、政治を操れるようにならないと。自分の為じゃない、本田の野望を止める為に…」
黒三「その本田という議員は…」
松下「今日の時点では無名の地方議員さ。でも放っておくとヤバイ…」
黒三「もし松下新之助が負けると…」
松下「君達の未来は明るくはない。でもそうなったら僕はまた少し時間を遡って誰かの身柄を探す。」
黒三「もしかして、今迄もそんな辛い…」
松下「辛くはないさ、ゲームだよ。画期的な携帯型ミュージックプレイヤーを発表した時は本当に楽しかったなぁ。未来は変えられなかったけど…」
黒三「!!??」
松下「なんてな。皆んな嘘だよ、ジョーク!間に受けるなんて。こんな妄想話嫌いじゃないだろ。」
黒三「松下さん!?」
松下「そのうち映画監督にでもなってそんな映画作れたら楽しいねぇ。」
黒三「松下さん、何処までが…」
松下「黒三さん、契約だけは忘れるなよ。事業か失敗したら困るのは誰か?」
黒三はハッとした。
松下「さあ、明日は朝からUDXビルのテナントの打ち合わせがあるから今日は早めに帰るよ。」


そう言って松下は何故か駅とは反対方向の外神田三丁目の小さな教会の方へ歩いて行った。

名前
件名
メッセージ
画像
メールアドレス
URL
文字色
編集/削除キー (半角英数字のみで4~8文字)
プレビューする (投稿前に、内容をプレビューして確認できます)

Copyright © 1999- FC2, inc All Rights Reserved.