えくりけいじばん ver2.0

エクリ殺人事件〜松下紳之助編 第9話 最終話〜 - 管理人96(代理投稿)

2015/02/24 (Tue) 13:17:26

エクリ殺人事件〜松下紳之助編9〜


ー意外な人物ー


あき「驚いたなぁ。スイス銀行に松下紳之助の口座があって愛々しが送金していたなんて。」
さぁや「でもね。まだまだ分からない事がある。」
りょう「スイス銀行の特別口座は名義も公開せずに全国のコンビニ、駅、スーパーのATMから24時間手数料無料で送金可能。」
かえ「りょうちゃん、流石にスイス銀行特別口座のCMにも出ていただけあって、キャッチコピーもバッチリだね。」
さぁや「ただ、出金出来るのはスイス銀行の窓口で毎回身分証明が必要で本人しか下ろせない。」
リン「それって本人が死んじゃったら相続するの大変そうだね。」
さぁや「特別口座は本人が死んだ場合は預金は凍結され口座は消滅する。私達国税局でも泥池とよばれている。」
まどか「その口座の事を知っていたなら、尚更紳之助さんを殺す動機が無い…」
さぁや「りょうさん、さっきこの中で身元が分からないのは私だけと言っていたけど…」
りょう「そうね。」
さぁや「黒三さん、貴方の身元も怪しい。国内外に一切の金融機関口座を持たず、戸籍の内容もあやふや。そしてこの屋敷に住み込みをしている。貴方は何者なの?」

黒三が初めて口を開いた。

黒三「やっぱり、私の事も調べていたんですね。流石国税局の鬼のさぁやさん。」
愛々氏「ちょっと待って、黒三さんは紳之助さんがしゅりみやを開店した時からずっと一緒だったんだよね。」
あき「そうだよ。身元不明って意味が分からないよ。」
さぁや「私の調べでは江栗黒三という人物は存在しない。戸籍も造られたもの。もう一度聞くわ。あなたは何者なの?」


黒三「私は松下紳之助という者です。」


一同は驚きの表情と動揺を隠せない。
愛々氏「黒三!何を言っているの。」
あき「真面目な話をしてるんだから冗談はよせ!」
黒三「真面目な話です。私が本当の松下紳之助なんです。」
りょう「じゃあ、今まで廊下にある遺体は誰だと言うの?」

黒三「名前は世祓と名乗っていました。今となっては本名かどうかも分かりません。」

さぁや「あの遺体は松下紳之助ではない!?そんな…」
愛々氏「貴方が毒を仕込んだのね。」
黒三「それは違います。おそらく世祓は自分で毒を呑んだのだと思います。」
リン「自殺したの?自分の誕生パーティーで?そんな訳ないよぉ。どんな理由があって!?」
黒三「全ては、あの男の…世祓のゲームだったんです。」
一同「ゲーム!?」




壁の一部に沢山貼られたチェキや写真の中に、恵比寿ビール記念館の入口で撮られたと思ういずみん、ゆーき、愛々氏の写真が一際目立って見えていた。

Re: エクリ殺人事件〜松下紳之助編 第9話 最終話〜 - 管理人96(代理投稿)

2015/02/25 (Wed) 14:25:24

〜黒三と紳之助〜


りょう「ゲームって何?紳之助さんが自殺?」
黒三が思い出しながら語り始めた。
黒三「そもそもの発端は、私が最初に秋葉原に出したお店が上手くいかず直ぐに潰れてしまったのです。」
ねこす「前に黒三から聞いたことがありましたね。確かパンをおつまみにお酒を飲むバーだったとか…」
あき「パンで飲む?なんかコンセプトが斜め下向かってるな。」
黒三「その店の失敗で私は財産を失うどころか借金が残り、妻も行方不明となってしまいました。」
ゆーき「えー、黒三さんって結婚してたの??」
黒三「全てを失った私は自殺を考え万世橋から飛び込もうとしました。その時に一度だけお店に来て頂いた世祓さんに偶然お会いして提案を受けたのです。最初は簡単なゲームだと言っていました。」
りょう「そのゲームのルールは?」
黒三「世祓さんが私の借金を全て肩代わりする代わりに、私の松下紳之助という戸籍、あるいは人生を買う、と。」
さぁや「人生を買う?」
黒三「私は江栗黒三と名乗り世祓さんの事業を影で手伝う契約でした。世祓さんは私の代わりに松下紳之助を名乗り様々な事業を好きに展開する、途中で事業に失敗して借金が出来たら私が元の松下紳之助に戻って自殺して死ぬ。上手く行ったら私は大金を受け取れる。その時には世祓がこの世から去ると。」
さぁや「松下紳之助の『しゅりみや』さんからの成功の階段は実は世祓という人物の…」
黒三「あれから約7年。松下紳之助という人物は巨大な名声と富を得た。私はそれを厨房からずっと見つめていたのです。今年の誕生日がゲームのタイムリミットだったのかもしれません。嫌な予感はしていましたがあの様な最後を…」
さぁや「松下紳之助の戸籍にあった配偶者、あれは本当は貴方の奥さん。」
黒三「そういう事になります。」
りょう「それで松下紳之助には内縁の妻が居ても戸籍に入れる事はしなかった。いや出来なかった。」
黒三「私が松下紳之助の誕生パーティーで今まで皆様の前に顔を出すことはありませんでした。今回、世祓はおそらく皆さんのアリバイを作るためにわざわざ皆をホールに集めてから1人で毒を呑んだのではないかと。」
さぁや「貴方が、スイス銀行にある松下紳之助の口座の本当の名義人という訳ね。それが世祓の言っていた巨額の利子。貴方が売った貴方自身の人生への見返り。」
りょう「そのタイムリミットって最初から決まっていたの?」
黒田「それは世祓が決めるという条件でした。これも想像ですが、お金の流れや私達2人の秘密に国税局が目を付けた時から何と無く秒読みが始まっていたのかと…」
さぁや「そう…確かに真実が暴かれたらゲームは強制終了してしまう。松下紳之助、あるいは世祓はそれを察知して全てを隠滅するために最後の誕生パーティーに挑んだ。」
りょう「さぁやさんをこのパーティーに呼んだのも、世祓の国税局への挑戦状みたいなものだったのかしら。」
さぁや「それは…私が松下紳之助を、いや、世祓を追い詰めてしまったという事…」
黒三「いえ、どちらにしても何時かは迎える結末だったのだと思います。」
りょう「ゲームの勝者は黒三さん。貴方という事になるのね。」
暫しの沈黙の後に黒三が言った。
黒三「分かりません。このゲームに勝者はありません。ある意味世祓の書いたシナリオ通りに物事が進んで来ました。ゲームの勝者は最初から世祓さんなのでは。」
皆が沈黙した。


さぁや「仕方ない、これではお金の行く先は泥沼ね。もしも口座から『誰か』がお金を引き出しても国税局は追えない。」
黒三「何を言っているんです!?」
さぁや「私は任務を遂行出来なかったし、殺人事件なんてこんなスキャンダルは私の専門外。身元不明の人物の税務調査なんて面倒臭くてお断りだわ。」
黒三「さぁやさん…」
さぁや「大金の証拠も出どころも分からない以上私の出番は無いのよ。世祓さんの遺体については警察を呼ぶべきね。」


暫くして屋敷にパトカーが集まった。紳之助の毒物は自分で廊下に出てから自分で呑んだという線が濃厚で関係者にはそれ以上の追求は無かった。屋敷に居た全員がホールに居たので青酸カリの効能時間からアリバイが立証されたからである。松下紳之助の自殺として事件は解決した。
鑑識に送られたあの予告状のようなメモと松下紳之助(世祓)の指紋と筆跡が一致した事も捜査の終結を加速した。
左京はコーヒーを飲みながら呟いた。
左京「あの時、無茶でも屋敷に入り込んでいたら何か違う結末を見ることになったのでしょうか。」
金田一紳助は未だに洞窟の中を迷っていた。
黒三本人に対する税務調査は軽かった。さぁやの取り計らいもあった様だ。


それから1カ月。
スイスから戻った黒三は世祓の意思を継ぐように屋敷のメイドや世祓の息のかかったプロダクションからタレントを引き抜き秋葉原にアキハガイドのお店を立ち上げた。
皆、その事件の事を思い出さないように明るく勤めていたが、ある日愛々氏が世祓に似た客がグラグラヴァニアで生ビールを飲んでいる所を見かけたと話した。
さぁや「愛々氏の見間違いでしょう。」
愛々氏「そうだよね、そんな訳ないもんね。」




〜松下紳之助編 完〜




スペシャルバージョン。
エクリ殺人事件〜松下紳之助編〜 『零』
(気が向いたら) 公開!



名前
件名
メッセージ
画像
メールアドレス
URL
文字色
編集/削除キー (半角英数字のみで4~8文字)
プレビューする (投稿前に、内容をプレビューして確認できます)

Copyright © 1999- FC2, inc All Rights Reserved.